こんにちは!北海道生まれ北海道育ち北海道在住の進藤アランと申します。
北海道に住む人間はこう考えています。
「北海道は方言がない」
いや方言はあるんですけど道民は「標準語」を
話していると思い込んでいます。
最近は北海道のスター大泉洋さんが、北海道弁丸出しで
テレビで話してくれるので、メジャーになってきているかもしれませんね。
数年前は「そだねー」が流行ったりもありましたね。
今日は北海道の方言の一つ【さる】を考えていきます。
ちなみに方言女子ってなまらかわいいと思います!
標準語にできない方言【~さる】
標準語に翻訳できない北海道弁の代表【さる】
非常に便利なのでみんな使ったらいいのにと思います。
おもに自分の意図しない現象が発生した時に使います。
用法は【動詞+さる】です。
さっそく【さる】を使ってみよう!
例文「壁のスイッチが押ささる(おささる)」
訳「(わざとじゃないけど誤って)壁のスイッチを押してしまった」
本人は押そうと思ってはいないのですが、
誤って押してしまった時に責任をごまかせます(笑)
おささるには、自分がやった結果だけど
自分はそんなつもりはなかったんです~
という言い訳も同時にできる方言なのです。
さらに自分の責任をごまかしたい時は【押ささっちゃった】
と表現すると、さもスイッチが悪いというくらいに
より責任を逃れることができます(笑)
例文2「壁によっかかったらスイッチがおささっちゃった」
訳「壁に寄りかかったら、スイッチに触れて押してしまった」
より自分は悪くないと表現できます。
【おささる<おささっちゃう】
の順で対象に責任をなすりつけるイメージです。
可能動詞【~さる】の使い方!
【さる】にはもう一つ使い方があって、可能動詞のような使い方もできます。
例文(紙に文字を書こうとしている人に向かって)
「書かさる?(かかさる?)」
訳「そのペンは書く機能は損なわれていませんか?」
なにを言っているのかわからないかもしれませんが、
【書かさる=書ける】と翻訳してしまうと
少し意味が変わってしまいます。
書かさる?の意味
【書ける】というのは2つの意味を含んでいます。書く人間に書く能力がある状態と、ペンに書く機能が備わっている状態です。一方【書かさる】は能力には使いません。機能にのみ使われるので「書かさる?」という質問には筆記用具の機能について尋ねているという事がわかります。
つまり【書ける?】という疑問文は書き手が字の書けない人?orインク切れてない?という意味になりますが【書かさる?】という疑問文は、ペンのインクが切れてない?という意味になります。
否定系の【ささらない】はもっと便利!
次におささるの否定形【ささらない】を紹介します。
これも非常に便利な方言だと思います。
例文「このペンかかさらない!」
意味「このペンで文字を書こうとしていますが、ペンの異常で書けない!」
【書けない】だけだと、書き手に問題があって書けないのか
ペンに問題があって書けないのかわかりませんが、
【書かさらない】だとペンに異常があって書けないという意味になります。
【ボタンが押ささらない】だと指で押しているのに
ボタンが壊れているというように、
本人はしようとしているが、対象に問題がある状態を意味します。
さるは合理的で非常に便利!
飲まさるの謎
次の使い方は【飲まさる】です。
自分の思っているペース以上に飲んでしまうという状態に使います。
例文「このお酒は飲みやすくてどんどん飲まさるなぁ」
訳「このお酒は飲みやすくてついつい飲みすぎてしまうなぁ」
ほどほどにしようと思っていたのに、
美味しくてついつい飲みすぎてしまう状態を表すときに使います。
自分の意志ではない。飲みやすいから悪いんだ!というニュアンスを含みます。
なんだかまとめていて思ったんですけど、
北海道弁って責任感のない方言なんでしょうか(笑)
執筆:進藤アラン
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